またしても不思議なお正月風景を目撃してしまいましたので、あえて「今さら・・」的な記事として、来年のために「お正月の自由帳」に綴っておこうと思います。

前回は、ドラッグストアの入口に、ところ狭しと飾られた一杯のお飾り・・・でしたが、今回は、圧倒的な物量を誇るイオン・グループが贈る、年末年始の風物品の鏡餅です。

鏡餅も時代につれて進化している

鏡餅(かがみもち)とは、餅を神仏に供える正月飾り(床飾り)であり、 穀物神である「年神(歳神)」へ供え物をする日本の伝統行事です。

鏡餅という名称は、昔の鏡の形に似ていることから名前の由来があります。昔の鏡は青銅製の丸形で、神事などに用いられるものであり、三種の神器の一つ「八咫鏡(やたのかがみ)」を形取ったものとも言われています。また、三種の神器の他の二つ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」に見立てた物が橙(ダイダイ)、「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」に見立てた物が串柿であるとされます。

それにしてもこんなに鏡餅があるけど完売するのかなぁってる

それにしてもこんなに鏡餅があるけど完売するのかなぁ

ですから一般的な鏡餅は、大小2つの平たい球状の餅と、ダイダイが使用されますが、地域によって違いがあり、餅が三段のもの、二段の片方を紅く着色して、縁起が良いとされる紅白としたもの、餅の替わりに砂糖で形作ったもの、餅を細長く伸ばし渦巻状に丸めて、とぐろを巻いた白蛇に見立てたもの・・・など様々な形状があります。

現代では、ダイダイの入手が難しいので、ミカンで代用するケースが多く見られますが、こちらの鏡餅のように、プラスチックのミニチュアのミカン、それもご丁寧に葉っぱのミニチュア付き!を使う新手の商品も出てきました。

近年の鏡餅はコンパクトでミカンのミニチュアが乗ってる

近年の鏡餅はコンパクトでミカンのミニチュアが乗ってる

他にも、三方に半紙を敷く→その上に裏白(羊歯の一種)を載せる→その上に大小2つの餅を重ねる→その上に串柿・干しするめ・橙・昆布などを飾る、地域や風習もあります。

まだまだあります。串柿が無い地域や、餅と餅の間に譲葉を挟む地域、昆布とスルメを細かく切ったものを、米に混ぜて半紙でくるんだ物を乗せる地域など、調べれば調べるほど、鏡餅の飾り方には地域によって様々な違いがありました。

そして近年では、家庭内に飾ることの利便性と、後で食べる際の衛生面を考えて、ご覧のような、鏡餅が重なった姿を型取ったプラスチックの容器に充填した餅や、同様の容器に(個別包装された)小さな餅を多数入れ、プラスチック製の橙などとセットにした商品が数多く、各餅製造会社から発売されています 。

最近の鏡餅はコンパクトでキャラクターが乗ってる

最近の鏡餅はコンパクトでキャラクターが乗ってる

ところで、神仏に捧げる鏡餅を飾る場所としては、床の間が最もふさわしいとされていますが、昨今の住宅事情では、床の間が無い住宅の方が多いですから、そういう場合は、玄関から遠く、奥まった位置にするのがふさわしいとされています。

鏡餅を飾り始めるのは、早くても問題は無いとされていますが、「八」が末広がりで日本では良い数字とされている事から、12月28日が最適とする場合が多いようです。他には、大安(12月31日を除く)を選んで供える地域もあります。

12月29日は、日本では「九」が苦しむにつながるので避けるべきとされていますが、逆に29を「福(フク)」と読み替えて、この日にあえて餅を搗く地域も有ります。

今年の鏡餅はコンパクトで干支のウマのミニチュアが乗ってる

今年の鏡餅はコンパクトで干支のウマのミニチュアが乗ってる

12月30日はキリの良い数字なので、悪くないと考えられています。但し旧暦では12月は30日までしかない為、旧暦通りならば「一夜餅」の扱いとなるので忌避される場合もあります。

12月31日に飾るのは、「誠意に欠ける」「葬儀の飾り方を連想する」などの理由により、「一夜飾り」「一夜餅」として忌避されます。但し浄土真宗はこの限りではありません。

まとめとしては、ベトナム製のお飾りにしても、ダイダイの代わりにプラスチック製のミカンや猫、干支のキャラクターを乗せた鏡餅にしても、飾り方や飾る時期にしても、これだけ違いがあって、地域差があると、ご利益のほどはいかがなものでしょうか・・・結局、その人、その地域がいいと思えば、それが正解ということなのでしょう。

「日本全国酒飲み音頭」にあるように、ゴロ合わせや、勝手な解釈で理由をこじ付けながら、何かにつけてお酒を飲み、それでいて、本当のところは酒が飲みたいだけ!酒が飲めればいい!という、日本人的気質から何事も発せられているようです。

以上、見ているだけで、お腹が一杯となったイオンの食料品売り場でした。